Love Me,
Presenter:さくらさわ
Summary:エメアゼ/小説
Presenter:さくらさわ
Summary:エメアゼ/小説
今回も旅から帰ってきたアゼムは、まずまっさきにエメトセルクの元を訪れた。
誰よりも先に会いたかったんだ、と、委員会への報告よりも先に直接エメトセルクの部屋に転移して戻ってきたアゼムに、恋人の部屋へ来るより先に座に着くものにはやることがあるだろう、などともっともらしい苦言を舌先に乗せてはみたが無論本心ではなく。
そのことは当然アゼムも理解していて、エメトセルクの言葉を聞いてふふっと笑った彼女に、そのまま深く口づけられた。
その晩は空が白み始めるまで、長い不在を埋めるように互いの存在を確かめあい、満たされながら眠りについた。
世界中を飛び回り人々の悩みを聞いては解決をする、それこそを使命と定める第十四の座は、いつでもアーモロートにいるわけではない。それゆえアゼムがアーモロートに帰ってきたとなれば、困りごとを抱え彼女を頼る市民が列をなすほどだった。
案の定、アゼムの帰還が知られるや否や、お悩み相談係に市民が詰めかけ大変な忙しさとなり、彼女が恋人の寝室へと戻ってくる夜以外はなかなか共に過ごせる時間も持てぬまま一月ほどが過ぎた。
そんな中、最近毎日アゼムのもとを訪れるという青年の話をよく耳にするようになった。
そしてアゼムもまた、多忙の合間を縫ってその青年のために時間を割き、行動を共にしていると。
「……なんて噂を聞いたけど。もちろんキミの耳にも入っているんでしょ?」
親友が人の悪い笑みを浮かべてエメトセルクに囁く。エメトセルクはため息をついた。
「おまえ、仕事中の私にわざわざそんな話をするために来たのか?」
「えー、だってあのアゼムにそんな浮いた話が出てくるなんて珍しいじゃない?」
それは確かにヒュトロダエウスの言う通りではある。
アゼムの唯一無二の相手がエメトセルクであることは広く知られていて、アゼムに懸想する者もなくはなかったが、第三の座と張り合おうなどという肝の座った奴はそうそういないのだった。
だがこうして噂にまでなっているところを見ると、今までになく根性ある者がこのアーモロートにもいたということか、それとも。
「噂がどうあれ、私は自分の目で見たことと自分の耳で聞いたもの以外を判断材料とする気はない。そしてその内容がどのようなものであっても、あいつが私に大事なことを話さない筈がない。わかったらさっさと仕事に戻れ」
そう言って親友をさっさと追い払ったのだった。
そうは言っても、その噂がまったく気にならないわけではない。
そして恋人はいつも通り、日が暮れればその日の仕事を終えてエメトセルクの部屋へ帰ってくる。
「ただいまぁ」
と帰宅したアゼムの手首を掴んで、壁に押しつけ、そのままキスをした。
「ん?! んーーーーーー!!」
おかえりの言葉もなしに突然口を塞がれて、アゼムが目を白黒させる。
噂などまったく信じてはいないが、それでも自分以外の男との話題が世間を騒がせていることに、わずかの嫉妬すら憶えぬほど器が大きいわけでもない。
深く舌を絡めたままローブの留め金を外せば、はらりとローブがはだけて白い肌があらわになる。すべらかな肌に指を這わせると、アゼムがエメトセルクのローブにぎゅっとしがみついた。
「エメトセルク、まって、どうしたの、いきなり……んんっ」
必死に紡ぐアゼムの言葉をふたたびのキスで封じる。今はとにかく早く彼女が自分のものだと確かめたくて仕方がなかった。
「あ、……っん」
エメトセルクの指が、アゼムの胸の頂を弾く。
「ふあぁ……!」
突然の強い刺激に、びくびくとアゼムの体が跳ねた。
「や、も、まってって……言ってる、のに」
「厭だ。待つものか」
アゼムの抗議など聞かずに、エメトセルクはいつもより強く、胸を撫で回した。
「……っ!」
敏感なところを強く刺激され、アゼムが息を詰める。同時に、エメトセルクのローブを握りしめる手に力が籠った。
「も、やぁだ……っ」
ひくりと喉が震え、声がこぼれる。がくりと腰がくだけて座り込みそうになる、その体を抱き上げてベッドへと運んだ。そして半ば暴かれたローブを脱ぐ隙すら与えず、アゼムの首筋に舌を這わせる。
「あぁ……ん……」
エメトセルクの指先に、舌の動きに、アゼムが身悶える。その身体をシーツへと押しつけて、乳首を摘み上げた。アゼムの身体がのけぞり、喉元が晒される。そこに噛みつくように口づけて、更に吸い付いた。アゼムの指先がシーツを掻く。
「や、あ……んっ……」
摘み上げた蕾を二本の指で挟んで扱き、やわらかな胸のふくらみを手のひらで包み込むと、少し強い力で揉みしだく。
「ひぁっ、あぁ、ん……っ……ね、エメ、トセルク、なにか、あった……?」
「……何かとはなんだ」
「だって、っ、なんか……変だ、もの」
荒くなった息を整えながら、アゼムがそう言って、心配そうにエメトセルクを見あげてくる。
「何が変だ?」
そう言いながらエメトセルクが固くなった蕾に歯を立てると、んっ、とアゼムがちいさく声をあげた。
「んぁん……君が……、わたしに、優しくない、なんて」
そしてアゼムが腕を伸ばし、胸元でエメトセルクの頭をぎゅっと抱き込んだ。
「異常事態……」
その言葉に思わず笑ってしまう。ああ、こいつには勝てないな、と思う。
「確かに、その通りだ」
ぴんと尖った胸の先を吸い上げる。強く、弱く、それから舌先で転がし突くとアゼムの身体が何度も跳ねた。
「あ、や、あぁ……っ!」
胸をしゃぶるエメトセルクの頭を掻き抱いて、アゼムが悶える。ねだるように押し付けられる乳房を尚も舌先で可愛がり、唇と指で愛撫する。
「は、あぁ……っ、ん、あ、あぁ……」
アゼムがエメトセルクの髪に指を差し入れる。快感に耐えるように指先がエメトセルクの髪を掻き乱した。
「ふぁ、ん……やぁだ、り、ゆう、知りた……っ」
「おまえは、私の恋人だろう? ならば他の男と、噂になったりするな」
「……ん、えぇ?!」
エメトセルクの言葉に、アゼムが驚きの声をあげる。
「んぁ……なに……それ、どういう、こと……? 誰のこと?!」
「噂になっているぞ。先日から、第十四の座を頻繁に訪ねているという青年の話だ」
「ああ、それ……っん……」
彼女の答えを待たずに、エメトセルクの指先が色づいた蕾にふれると、アゼムがびくりと体を震わせた。
「あぁん……」
そのままぐりぐりと指の腹でそこを押しつぶすと、アゼムが身を捩った。
「や、それ……っ」
「噂によると、彼はおまえのお気に入りらしいじゃないか?」
「ええ?! なんで、そん、な噂に……んぁあ!」
話の途中でエメトセルクの指がアゼムの秘所をなぞった。アゼムの背が弓なりに反って、足が空を蹴る。
「噂になるほど頻繁に会っているんだろう」
「ふぁ、ぅ、ちがうよ、それは……っあん、相談事、があって……んんっ」
「ほう」
乳房を吸いながら、片手を腿へと這わせる。
それだけでアゼムの体がびくびくと震えた。その腿の内側を、ゆっくりと撫で上げる。
「っあ……や、ん……」
「それで?」
快楽で翻弄しながらも、理由は聞いてやる。先刻ヒュトロダエウスにも言ったことだが、彼女が自分に大切なことを話さない筈はない。弱い部分を弄んでいた手を離すと、アゼムが深く息をついた。
「っ、はぁ……っ……」
「人の悩みを聞き、それを解決に導くのが第十四座の役割だ。如何に相手が恋人だからといって、軽々しく事情を話せるものばかりでもないだろう。だが、おまえの気持ちを聞くことくらいは、ゆるされるはずだと思うが?」
そう問うと、何度か深呼吸をして息を整えたアゼムが、捲れたローブの前を合わせてエメトセルクのそばに座った。
「……ん。あのね、わたしが今、頻繁にそばにいるのはね、わたしにとっての君のような人を、失ってしまった人のとこ……」
濡れた唇が、他の男のことを口にする。けれど彼女が口にしたその理由に、憶えてもいいはずの怒りは霧散してしまう。
「おまえにとっての、私?」
「ん……。彼の恋人は、原因不明の事故で突然星に還ってしまったんだけど、その原因をどうしても知りたいっていうのが、彼から受けた相談だったんだ。だからその原因を突き止めた。……癒えない悲しみを抱いて、どうしても誰かがそばにいることが必要な人がいるのなら、少しの間だけでもそこにいることも、十四の座の役割だと思ってる。アゼムの座は、悲しみを掬うものでいたいから」
「……おまえがそいつのそばにいることで、あらぬ噂が立ったとしても? そのことで私が嫉妬を憶え、怒りを抱いたとしても?」
アゼムの顎に指を掛け、至近から見下ろし、少し低めた声でそう問う。が、アゼムは怯まず、少しせつなげな、けれど眩しいような顔で笑った。
「そうだよ。必要な人に、必要なものを手渡すためにわたしがいる。だからね、わたしは、君が妬いても……君が嫌だって思ったとしても、そうするんだ」
アゼムの指が、エメトセルクの頬にそっとふれる。
「だって君には、わたしがいるから」
思わず言葉を失い、エメトセルクはアゼムを見つめた。
「わたしがアゼムでいることで、悲しい気持ちや、つらい気持ちにさせたらごめん。……でも、少しのあいだ、嫌な思いをさせても、君はわたしが必ず癒すから」
星を詰め込んだようにかがやく、アゼムの橙の瞳が、まっすぐにエメトセルクを見あげていた。
愛おしさに、胸の奥が引き絞られる。
「……馬鹿が。おまえがどうしたってその座の役割を果たそうとすることなど、最初から知っている。そのことでいちいち、悲しんだりはしない」
「ふふ……じゃあ、嫉妬した分の気持ち、わたしにちょうだい。……いじわる、して」
アゼムがエメトセルクに、軽くふれるほどのキスをした。そうしてすぐに離れようとする唇を追いかけ、貪るように深く舌を絡ませる。
長いキスのあとで、空気を求めるように喘いだアゼムの胸の頂に歯を立てれば、彼女は甘く鳴いて腰を揺らした。
「わかった。厭だと言われても、止めてやらない」
エメトセルクの指先が秘所に至る。下着の上からその場所を撫でると、くちゅりと水音が響いた。
「っ……!」
アゼムがきゅっと唇を噛む。下着ごと押し込んだ指の先が、熱い秘裂に沈んだ。
「あ、あぁ……!」
アゼムの腰が淫らに揺れる。じわりと中から溢れた蜜がエメトセルクの指先を濡らした。下着をずらしてアゼムの中へと指を埋め込めば、ぎゅっときつく締まる。入り口は狭くきついが中は柔らかく、蜜口は奥へと誘い込むようにエメトセルクの指を受け入れた。
アゼムが身をよじるたびに中が震え、肉襞がエメトセルクの指に絡みつく。その感触を楽しみながら指を増やした。
「あ、やぁ……っ、あ、あぁ……」
一本でも苦しそうにしていた彼女の花唇は、二本の指を咥え込んで、既にぎちぎちと音がしそうなほどだった。
首を振るアゼムの腰を掴み、更に奥へと指を滑らせる。途端にアゼムが息を詰めた。
「ひぁ、……っ」
膣内の腹側を擦り上げると、アゼムの腰が跳ねる。襞が指を咥えこみ、溢れ出た蜜が水音を響かせた。
エメトセルクの指が中を掻き回し、アゼムを苛む。がくがくとアゼムの腰が震え、エメトセルクの指が強く締めつけられた。
「アゼム」
名を呼びながら耳たぶに歯を立てる。そうして中途半端な快楽のさなかにあると知りながら、彼女の中から指を引き抜いた。アゼムの身体がふるりと震える。物足りなさに悶えるようにその足がシーツを掻いた。
もはや邪魔でしかない、彼女の身を包むものをすべて一瞬でエーテルに還すと、喘ぐアゼムの腰を掴み、足を開いて自身の上に跨らせ秘裂に自分の熱を押し付ける。けれど挿れることはせず、蜜で濡れたその場所をゆるゆると撫でてやった。
「んぅ、あ、あぁ……」
苦しげに甘い声を漏らすアゼムの唇を舌で舐める。けれどそれは軽く触れるだけで、すぐにアゼムを苛む熱へと舞い戻る。
ゆらりとアゼムの腰が揺れる。エメトセルクの上で身をよじる彼女の熱は熱く熟れて蜜を垂らしているけれど、エメトセルクはまだ決定的なものを与えてやらない。
アゼムがふるふると首を振りながら、エメトセルクのローブをきつく握る。その頬は紅潮し、吐息は熱く、声は濡れている。艶やかな唇が物欲しげに喘いだ。敏感な花芽を指できゅっと摘むと、アゼムが背をのけぞらせ、震える。
「っあ、やぁ……!」
甘い悲鳴が上がり、彼女の腰が逃げようとする。エメトセルクは手を離さず、指を上下させて、花芽を刺激し続けた。
「あ、や、あぁ……っ」
びくりとアゼムの体が跳ねる。けれどエメトセルクはアゼムの体を抱き込み、彼女が腰を動かすのを封じた。
「やだぁ……も……いじわる……」
「おまえが、いじわるしろと言ったんだ」
そう言って笑うと、涙を眦に滲ませながらアゼムがエメトセルクを睨んだ。その唇からは熱い吐息が零れ、彼女のそこはもうとろとろに濡れそぼって、あともう少しで達するというところで止められて、焦らされ続けている。
押し当てられる熱い感触に、アゼムの喉が震える。そのまま蜜を絡めるように入り口を擦り、その先へは進まずに、また離れて。
「や、あぁあ……っ」
アゼムが首を打ち振った。
「欲しいのか?」
アゼムの耳元で、エメトセルクが問う。
欲しくてたまらないのに与えられず、くちゅりくちゅりと入り口を刺激されるばかりのアゼムが、涙をこぼしながら頷いた。
「……っ、ん、……も、ほしい、よぅ……おねが、い、ハーデス……」
切ない声がエメトセルクの耳朶を打つ。潤んだ瞳で見上げられて、ぞくぞくと腰の奥が震えた。
「では、私の上に乗って、自分で挿れてみろ」
そう言ってエメトセルクがアゼムの腰を掴み、引き寄せた。けれどその熱は彼女の蜜口に押し当てたまま。中に侵入することはしない。
「ん、ぁ……」
アゼムが身を捩った。中途半端な熱と快感を与えられ続け、欲しがりな身体はさらにその先の快楽を欲している。それをわかっていて、エメトセルクは彼女の花唇を自分のもので焦らすように擦った。
「やぁん……」
「ほら、私を欲しいのだろう?」
そう言うエメトセルクを、アゼムは涙に濡れた瞳で睨む。けれどもう、耐えられないのだろう。
「んぅ……」
アゼムは自分で腰を浮かし、エメトセルクのものに指を添える。そして自分からその場所へと腰を沈めた。
「あ、あぁっ……!」
ずぷりと熱い杭に貫かれ、アゼムの背が反る。
「っ、んああ!」
自重で沈み込んだアゼムの奥を、まだ根本まで入ってはいないエメトセルクのものが深く穿つ。
もうアゼムの中はいっぱいで、それでもさらに飲み込もうと中が蠢く。
「や、あ……だめ、入らな……」
エメトセルクの太い部分を飲み込むだけでも精一杯なのに、さらに中へ、中へと侵入され、アゼムが苦しげに首を振った。
「っあ、うぅ……っ」
エメトセルクが腰を揺らして、更に奥を目指す。ずぶずぶとさらに深く、アゼムの中へとエメトセルクのものが飲み込まれていく。
「や、も、むり……ん、あぁ……!」
自分の重みで沈み込み、一番奥の奥まで彼を受け入れて、アゼムは悲鳴を上げた。
「無理? おまえのココはこんなにも私に吸い付いてきているのに?」
エメトセルクの指が、熟れてぷっくりと立ち上がったアゼムの花芽を摘む。そのままくりくりと捏ねられて、中がぎゅっと締まった。
「や、だめ、それ……あぁ……っ!」
アゼムが身体を強張らせる。同時に中もエメトセルクを締めあげる。
「っく、は……」
それが、たまらなく気持ちがいい。もっともっとと欲しがるように、アゼムの内壁がエメトセルクのものに絡みつく。
そこを容赦なく責め立てながら、乳首の片方を指で摘まんで捏ね回す。エメトセルクのものに貫かれながら、乳首と花芽を同時に責められて、アゼムの中がきゅっと締まった。
「あ、あぁ……んぅ、あ、や……!」
その締め付けに呼応するように、エメトセルクのものがアゼムの最奥をごつりと突き上げる。
「あぁ、ん!」
アゼムの体が震え、エメトセルクに縋り付く。
「や、だめ……ハーデス……イっちゃ、あ……」
最奥を突き上げられて、乳首を捏ねられ、アゼムの体が跳ねる。
「や、もう、だめ、あ……あぁ……!」
ぐちゅりと奥を突かれ、乳首を強く引っ張られて、背を仰け反らせて達したアゼムの体をエメトセルクが抱き留めた。
繋がったまま、腕の中にアゼムを閉じ込めて、その耳元で囁きかける。
「アゼム」
と、名を呼びながら、もう一度最奥を穿つ。最奥の柔らかな部分に切っ先を押し付けてぐりぐりと嬲り、それからアゼムの両手を掴み、思い切り引き寄せた。
「や、ああぁ!」
がつんと奥まで貫かれ、悲鳴を上げる。容赦なく与えられる快楽に、アゼムが悶えた。
「ひぁ、あぁ! あ、や……だめ……だめぇ……!」
甘い悲鳴を聞きながら、エメトセルクはアゼムの腰を掴んで引き落とすと同時に下から突き上げた。奥をぐちゅりと捏ねられ、花芽を押し潰されて、アゼムの唇から更に高い嬌声が上がる。
「止めてやらないと、言っただろう?」
唇で挟んで、吸い上げる。胸と花芽の両方に同時に快楽を与えられて、アゼムは悲鳴を上げた。
「……まだだ」
ぺろりと舌で唇を舐めると、エメトセルクは彼女の腰をぐっと押さえつけた。そして繋がったまま、くるりと体勢を入れ替える。
「っあ!」
ベッドに横たえられて、アゼムが短い悲鳴を上げた。エメトセルクのものが角度を変え内部を擦り上げる。そのまま腰を押し付け、深いところを何度も穿つ。
「や、待っ……ハーデス、あぁ!」
逃げようとした腰を掴み引き戻す。そのまま何度も何度も突き込み、敏感なところを捏ね回した。
「あ、や……そこ、っあああぁ……!」
びくびくと体を震わせてアゼムが啼く。エメトセルクは指先で花芽を摘んだ。
「ひゃ、あぁ……!」
軽く捻られて、鋭い痛みと快楽にアゼムが悲鳴を上げる。くちゅりと濡れた音がする、ぬるつくそこを指の腹で擦られ、弾かれ、押し潰され、弱点を責められたアゼムの体が震える。
アゼムの腰を掴んで押さえつけると、そのまま強く突き上げた。アゼムの背が反る。エメトセルクは彼女の腰を押さえたまま、更に激しく抽送を繰り返した。
「ひぁ、あ……あぁっ!」
ぐずぐずに蕩けた内壁を激しく擦られ、胸と花芽を同時に責められて、アゼムはもう喘ぐことしかできない。
「あ、あぁ……や、んあぁ……!」
もはや言葉を紡ぐこともできない彼女の奥を抉り、花芽を押し潰すように捏ね回す。そのまま固く尖った蕾を強く吸い上げてやれば、内壁がぐっと締まった。
「そろそろ、満足させてやる」
そう言ってアゼムの腰を持ち上げ、きつく締まった彼女の中から自分のものを無理矢理抜き出す。
「っあ!」
引き抜かれる感覚にアゼムが声を上げた瞬間、エメトセルクが一気にそれをアゼムの中へ沈めた。
「あぁぁっ!」
ずぶずぶと沈み込み、一番奥まで貫かれてアゼムが背を反らす。そのままエメトセルクがアゼムの体を抱き寄せ、強く突き上げた。
「あぁ……あ、んぅ……!」
あまりに激しい快楽をどう逃せばいいのかわからないのだろう、アゼムが必死な様子でエメトセルクの首にしがみついた。エメトセルクもまた、アゼムの細い腰を鷲掴みにして強く腰を打ち付ける。
がくがくと揺さぶられ、奥を突かれるたびにアゼムが甘く鳴く。
「や、あぁ……あ、あぁ……!」
「……っく……」
エメトセルクが喉の奥で低くうめき、アゼムの最奥へと精を放った。熱い飛沫を感じたのか、アゼムの身体が震える。
「あぁ……ん……はぁ……っ」
アゼムが甘く吐息を漏らしながら、エメトセルクの頬に自分のそれを寄せた。互いの唇が触れ合う寸前で止まり、どちらともなく微笑む。
「ハーデス……」
掠れた声で名前を呼ばれ、エメトセルクがアゼムの唇を塞いだ。そのまま深く唇を合わせ、舌を絡める。
「ん……」
唇が離れると、アゼムはエメトセルクの肩口に額を摺り寄せるようにして甘えてきた。そしてぎゅっと両手で、エメトセルクを抱きしめる。
「君が、いてくれて、ありがと……」
目を閉じてアゼムが言う。そのアゼムを抱きしめ返し、エメトセルクも目を閉じた。
腕の中に彼女の体温を感じる。そばにいるだけでたまらなく満たされる。その存在を失うというのはどのようなことなのだろう。
自分がその痛みを永遠に知らずにいられるようにと。そうは在れなかった者がいたことを知らされながら、否、知ったことでそのように考えてしまった自分の身勝手さを、座に着く者として到底相応しくないものだと考えながらも、その瞬間、エメトセルクはそう祈ってしまったのだった。